私たちの活動は、神戸・須磨の海が好きな12人の有志メンバーから始まりました。メンバーは、障がい者・ライフセーバー・サラリーマン・海の家オーナー・公務員・看護師・医師・報道関係者からなり、普段は全く異なる仕事をしていました。しかし、共通している想いがありました。それは、「既成概念をぶち破りたい」という想いでした。その既成概念とは「車いすでは海を楽しめない」です。須磨を車いすの方とそのご家族が一緒に海を楽しめる、素敵なユニバーサルビーチにすることを目標としました。
活動をスタートするにあたり、現在の状況を知るために須磨のビーチを訪れました。駅前のビーチ側には新たにスロープが設置され、海岸沿いの道路は舗装されて、綺麗になっていました。しかし、ビーチ側である南側にはエレベータがない、車イスの方のための地図がない、海に行くまでに踏切・縁石・傾斜が多いなど、まだまだ障害者や親子連れの方には利用しにくい状況でした。そこで、自分たちの手で少しずつユニバーサルデザイン化していこうと決めました。
車いすで海に来たことのある方は経験があるかもしれませんが、車いすで砂浜を通ろうとすると車輪が砂にはまってしまいます。せっかく海に来たのに、遠くから眺めることしかできません。プロジェクトメンバーの1人で、車いすの木戸がオーストラリア滞在中にビーチに敷かれた1本のマットと出会いました。このマットが1本あるだけで、車いすの方でも健常者と同じようにこれまで近づけなかった砂浜を進むことができ、家族と海を楽しんでいる光景を目にしました。そこでまず、須磨のビーチに、マットを導入することにしました。しかし、このマットを日本で導入している海岸はまだなく、製造・販売しているメーカーもありませんでした。
いつか須磨で絶対やりたいと思っていた、マッピングパーティーのイベントを実現しました。100人以上の方が集まってくださいました。集まったマッピング情報や、ユニバーサルビーチに向けたアンケートを、各所に伝えたり、自分たちで試行錯誤したり、今後に生かしていきます。また、最後は須磨のスターしんごお兄さんの電車ごっこ×ビーチマットで盛大に締めました。次の夏に向けてみんなの気持ちも繋がりました。
既製品ビーチマット(フランス製) | 16点 (仏Mobimat製or米Discubre製:設置は最低2人) |
ヨガマット | 10.6点 (あぶない。安定感なし。枚数が必要。風で飛びやすい。) |
工事用マット(ゴム製) | 12点 (重い。熱くなる。やけどに注意。持ち運び、設置は簡単。) |
木の板(ベニヤなど) | 14.9点 (ベニヤがどれほど耐久性があるか未知数。裸足ではトゲでケガをする可能性あり。設置、安全性ともに良い。) |
プラスチック製パレット | 13.6点 (かなり重い。段差が高く、穴が開いている。保管場所のスペースがない。) |
工事用マット(プラスチック製) | 14.5点 (見た目に違和感。工事現場感がすごい。重い。熱くなる。安定感は良い。) |
工事用マット(ゴム、借り物) | 14.7点 (非常に重たく、設置・移動に難あり。熱くなりそう。) |
【組み合わせ①】工事用マット×パレット | 14.4点 (見た目に違和感。工事現場感がすごい。すべりにくいが上のマットは風で飛ぶ。) |
【組み合わせ②】工事用マット×木の板 | 16.6点 (ベニヤがどれほど耐久性があるか未知数。ほぼ完璧に近い。耐久性と経済性がよくないかも。設置の手間もなく安定感も見た目も良い。) |
工事用マット(ゴム製) | 12点 (重い。熱くなる。やけどに注意。持ち運び、設置は簡単。) |
プロジェクトを通じ多くの素晴らしい出会いがあったことに感謝しています。ひとりでやるよりみんなでやる方が楽しいし、大きな力になると改めて感じました。まだ、スタートラインに立ったばかりです。まずは心のバリアフリー、これからの新しい出会いに期待でいっぱいです。